keieishi17’s diary

40年余の経営コンサルタント経験から語る

■■■ 偽経営コンサルタント

郢書燕説(えいしょえんせつ)という言葉があります。その意味は、非論理的なことや根も葉もないことをもっともらしく、無責任に説明することです。

コンサルタントとか一部の無責任な評論家と言われる人が時々見受けられますが、まさにこの言葉が当たっています。

そのような人は、ご自身はよい気分でいるのでしょうが、コンサルタント業界にとっては迷惑なことです。

郢というのは、楚の時代の都のことです。楚というのは、広辞苑(第六版)によると下記のような説明があります。

そ【楚】
(1)中国古代、春秋戦国時代の国。戦国七雄の一つ。長江中下流域を領有。戦国時代には、帝〓〓(せんぎょく)の子孫を自称。春秋の初め王号を称する。郢(えい)に都し、強大を誇ったが、秦のために滅ぼされた。中原諸国とは風俗言語も異なり、蛮夷の国と見なされた。(〓〓~前223)
(2)中国、隋末の617年林士弘が江南に建てた国。都は予章。(617~622)
(3)中国、五代十国の一つ。許州の人、馬殷が湖南に建てた国。都は潭州。6世で南唐に滅ぼされた。(907~951)
(4)中国、北宋滅亡の後、1127年金によって建てられた国。皇帝は北宋の宰相張邦昌。1カ月で滅亡。

郢のある人が、燕の国の大臣に手紙を出そうとして口述筆記をしていました。手元が暗いので「燭を上げなさい」と言ったのですが、その言葉がそのまま筆記され、燕の大臣にその手紙が届けられてしまいました。

それを読んだ燕の大臣は、その手紙を「賢人を登用しなさい」という意味に解釈し、賢人登用を積極的に行ったところ国が栄えたといいます。

何十年も前、高校生の時に学んだことですので、多少記憶違いがあるかもしれませんが、郢書燕説の言葉の起源だと記憶しています。

この言葉は、もともとは誤解が良い方向に向かったので、ニュアンス的にはプラスの言葉と考えます。ところが、今日、この言葉は上述のようにあまりよい意味には使われていません。

経営コンサルタント歴30余年になりますが、誤った方向に経営者を導くことをつとに慎みたいと考えています。