■──────────────────────────────────■
第二連載 経営コンサルタントの、トンボの目
◆ 最近の非常識と公共マナーの乱れを憂う ◆
経営コンサルタント事務所 B・M・S・21代表 山本 修
日本経営士協会 理事 関西支部長
■──────────────────────────────────■
山本先生は、美容サロンを独立開業され、その経験を元に
サロン経営者に「商品管理」「顧客管理」「計数管理」を提
案し、サロン経営の生産性向上に成果を上げてこられました
。近年は中小企業のコンサルタントとしてもご活躍中です。
また「日本経営士協会 関西支部長」として活躍されてお
られます。
今年の夏は、記録的な高温と局地的な豪雨、かと思えば秋が短く一週間も早い初
冠雪、真冬並みの冷え込み等、今までの常識では考えられない様な異常気象が続
いておりますが、読者の皆様にはお変わりなく御健勝にてご活躍のこととお慶び
申し上げます。
■ 電車の中での非常識とマナーの欠如
10月初旬のある平日の午前11時ごろ所用で出かけた電車の中で見た光景のこ
とです。通勤時間帯は過ぎたとはいえ社内は七分通りの混雑振りでしたが、筆者
の向いの席に40歳半ばと20歳前後の女性二人連れが乗ってきました。二人は
席一つを開けて座り電車の発車と同時に話をし始めましたが聞くとも無く聞こえ
る会話から二人は親子と思われました。
暫らくして二人のとった行動に、乗客全員は目を見合わせ複雑な顔になりました
。何故なら、二人は間の空いた席にカバンから出した食べ物と飲物を広げてお喋
りをしながら食事を始めたのです。二人の両隣の若い男性二人は困惑した顔をし
ながら席を立ち隣の車両に移っていきましたが、二人は意に介する風も無く変わ
らずお喋りと食事に夢中です。他の乗客は一人立ち二人立ち6人掛けの席に二人
だけになりましたが二人は平然としてお喋りと食事は続き、やっと食事が終わる
と今度は化粧を始めました。筆者も今までに、若い女性の車内の化粧は何度か目
にし、降車駅までに「付けまつ毛」まですっかり終わり別人になって降車する女
性は何度か見たことはありますが、40歳半ばの女性の化粧は始めてみました。
■ ある老年の男性のとった行動
その後二人は、降車駅が近づいたのかすっかり化粧も終わり別人になり、食事の
残骸を紙袋に入れると、驚いたことに座席の片隅に残したまま降車しようとしま
した。非常識極まりないこの光景を見て一昔前には見なかった非常識さとマナー
の悪さに暗澹たる思いになり、我が国の行く末に不安を感じていた。とその時、
筆者の一つ隣の席の老年の男性が「食べ物の残りくらいは持って降りろ」と怒鳴
りました。二人は其の男性の方を見向きもせず降車してしまい、電車が出発した
途端に残った乗客から其の男性に向って誰からとも無く拍手が沸き起こり、男性
は照れくさそうな顔をして「大きな声を出して済みません」と詫びて席に着きま
した。筆者は、非常識さとマナーの悪さを黙視した自分を恥じると共にこの男性
のような方と拍手をした方が居る間は我が国も満更ではないと安心しました。確
かに昨今の社会常識の欠如とマナーの悪さは目に余るものがありますが、読者の
皆様には如何思われますか。