keieishi17’s diary

40年余の経営コンサルタント経験から語る

■■■ 大卒の就職内定率の低さに思う

内閣府認証特定非営利活動法人・日本経営士協会の無料メルマガより、筆者の許可を得て転載しました。
 
 
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    第二連載 経営コンサルタントの、トンボの目
 
       ◆  大卒の就職内定率の低さに思う  ◆
 
    経営コンサルタント事務所 B・M・S・21代表 山本 修
                 日本経営士協会 理事 関西支部
 
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     山本先生は、美容サロンを独立開業され、その経験を元に
    サロン経営者に「商品管理」「顧客管理」「計数管理」を提
    案し、サロン経営の生産性向上に成果を上げてこられました
    。近年は中小企業のコンサルタントとしてもご活躍中です。
     また「日本経営士協会 関西支部長」として活躍されてお
    られます。
     
 
「口は、災いの元」と昔からよく言われる言葉ですが、まさにそれを地でいくような法務大臣の辞任劇、軽はずみな失言で謝るばかりの閣僚達、尖閣諸島、北方領土問題、それに加えて経済問題等、難問が山積する現況。此の侭では、我が国の行く末に不安を感じるのは筆者だけではないと思われますが、読者諸氏には如何に感じておられるのでしょうか。
 
 
■ 「就職活動と大学の在り方」
 
来春卒業の大学生の就職内定率の低さが、テレビや新聞等で取上げられていますが、企業側、求職者双方に問題があるのではないでしょうか。高卒者の殆んどが大学進学の出来る今日、来春の大卒者は54万人余と言われて居り其のうち17万人強が未内定とも言われて居ります。
 
企業は、リーマンショック以来の不況からの影響もあり、少数厳選採用を基本にしてグローバルで高質な人材を求めている傾向にあります。一方で学生側は、自分の希望する職種に関係なく相変わらず知名度の高い大企業志向であり、これでは就職ではなく就社志向が強いと筆者知人の大企業の面接担当者の一人は言っております。
 
入社後、3年以内に自分の希望する部署に就けないと離職する者が多いといわれる今日、自分の希望する職種を求めて、視点を変えて、自分の希望する職種に関係する中小企業に目を向けることも必要ではないでしょうか。確かに大企業の情報は多量に出回っておりますが、中小企業の情報は殆んど手に入らない現状にあることは間違い有りません。
 
然し、視点を変えることで情報は手に入るものと思われます。
 
大学が増え過ぎ、その殆んどが総合大学で中には定員割れの学校もあると聴いております。イギリスの教育専門誌が発表した今年の「世界大学ランキング」で、評価基準の変更も背景にあるとはいえ日本の大学は大幅にランクを下げました。
 
学部・学科の新設で日本国中同じような大学ばかりと言われて居ります。大学生活の四年間、マンネリと過ごすのではなく自分の希望する職種に対する「専門的な知識や情報」を意欲的に吸収し得意分野を持つこことが、今後は必要になると共に大学の在り方にも一考あるべきかと思われます。また前述の面接担当者の話では、私的な場と公的な場での言葉の使い方に難点が多いとも言っております。
 
 
大学の入学式に両親揃っての出席が今春話題に成りました。面接試験で自分の両親のことを「お父さん・お母さん」と言うのは普通になりつつあると笑っておりますが、国政を預る閣僚を始めとして就職活動者までが非常識な言葉使いに暗澹たる思いになるのは筆者だけではないと確信しております。