■■ 名言と経営 「情けあるこそ」
毎週火曜日15時にお送りしている「名言と経営」は、「経営四字熟語」とともに大変好評です。
“よろづのことよりも、情けあるこそ、男はさらなり、女もめでたくおぼゆれ”
「何ごとにおいても、情けのあることが肝要です」というのが前半の意味です。「情けがありがたいことで、男性からの思いやりは格別に嬉しいし、それがたとえ同性の女性であっても嬉しいことです」という意味でしょうか。
上述の草枕の一節も人の思いやりについて書かれていますが、草枕でも清少納言は、人から受けた思いがけない思いやり、好意は人を喜ばせると言って、その必要性を説いています。ちょっとした思いやり、優しさが、どれだけ人を和ませるでしょうか。
狭い歩道を歩いていて、前方から人が来たので、脇にちょっと寄って相手が通りやすくしてやるようにしばしばします。昔なら「ありがとう」などと言ったり、笑顔を返してくれたりするのが当たり前でした。
最近は、それで当然という顔で通り過ぎます。お節介焼きの私は、「礼ぐらい言いなさい」とお説教を垂れたくなりますが、最近は逆ギレされて、命すら危うくなりかねません。
シルバーシートと携帯電話を除いている人をしばしば見かけます。頭の真っ白な人が目の前に立っていようが、ペースメーカーをつけていようが、我関せず。ある日、腰の曲がった老婆がいるのに、足を組んで尻を浅く座った若者に注意をしました。私を無視して形態でゲームかメールを続けていたので再度注意したら汚い言葉を返してよこしました。その老婆が、私の袖を引いて「やめてください」と小声で言いました。その反対側に座っていた私と同世代と思える、はやり白髪の交じった男性が席を譲ってくれました。
それで私も済ませるつもりでいたら、電車のドアが閉まりかけたときにあわててその若者が立ってホームへ奪取をかけました。私を突き飛ばすつもりではなかったのでしょうが、私に体当たりをするように、脱兎のごとく出て行きました。当然、私はよろけましたが、幸い傍らにいた男性に助けられて倒れる大事には至りませんでした。
.
”兎角に人の世は住みにくい”
四字熟語の示唆を知ると目から鱗が落ちるでしょう
毎週火曜日にお送りしている「名言と経営」は、「経営四字熟語」とともに大変好評です。