「経営コンサルタント竹根好助シリーズ04 先見思考経営(千平紗門作)」を2011年4月4日よりブログにて発行を開始しました。平日、昼休みに気楽に読めるように発行しています。週末には、これまでのあらすじをお伝えします。また、はじめてお読みになる人のために梗概(全体のあらすじ)も週末にはお伝えしています。
本日は、週末のため小説の発行はありませんが、ここにあらすじをお送りします。来週からの竹根の活動にご期待下さい。
【第1話~第10話までの要約】
幸は、竹根に初めて会った30数年前の1970年のことを思い出していた。幸がロス空港に降り立った時のことである。幸のスーツケースが見当たらず、若い二人は大慌てをする。空港職員に事情を説明するのであるが、とんちんかんな対応をされてしまう。
ようやく日本の航空会社の社員の助けで事情がわかると、日米の大きな違いに愕然とする。ロスに着いていて当然のスーツケースが途中のホノルルから東京へ誤って戻されてしまったのです。次の目的地であるシカゴかニューヨークでその荷物を受け取れる目処が立ち、ホッとする若い二人の弥次喜多道中の先が思いやられる。
取締役の高齢化も気になる。課題が課されるがそれに対してどのように取り組んでいったら良いのかで停滞したりもした。
竹根から、幸社長に「経営理念構築」という宿題が出された。
ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。
ビジネスドックを使った社員研修で、刷増営業部長が発表者として登壇した。しどろもどろであったが、講師の一言で平常心を取り戻し、不充分ながらも発表を終えた。
引き続いて、ビジネスドックの説明があり、「わが社の長所・強み」というテーマで再びブレインストーミングを行った。
カード型ブレインストーミングという発散思考法とKJ法という収束思考法を学んだ。夜中まで討議をする羽目になり、世間一般企業の厳しさを体感した。
眠気を覚ます野外研修では、猛呼訓練法とバジング法が行われた。研修方法も多種多様で、初めての体験をしたラッキーの取締役は始めは戸惑った。次第に、幹部研修の雰囲気が分かった頃には研修は終わった。
個別課題は宿題となった。社長の幸も「経営理念」という課題が与えられた。
研修後、初めて竹根がラッキーの社長室を訪問した。顧問契約書を交わすためである。契約書の内容を竹根が説明し始めた。その中に、幸は竹根という経営コンサルタントの人柄を感じ取り契約をすることになった。
研修時の宿題である、経営理念の添削を竹根がし出した。
研修後、顧問契約が交わされた。現場では工場長を始め、管理職が迷惑に思い、コンサルタント契約が始めから暗礁に乗り上げてしまった。者著の幸はそれとなく様子を探るが、少々心配になり、竹根経営コンサルタント事務所に電話を入れた。
出張から帰国したばかりの竹根が飛んでくると、竹根マジックが起こって、問題は解決した。
中長期戦略の中で竹根の提案は、これまでの印刷業界にない突飛なモノであり、それだけに取締役達の説得ができるのか、それが問題である。「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。
当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。
【11 新しい企業作り】
散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。
竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。落ち着いた雰囲気の中で、幸は再び1980年代に戻り、沈思黙考が始まった。
顧問を依頼した竹根との相談の上で策定した五カ年計画案の第一議案であるノンファブリック戦略が可決され、第二議案である活版とオフセット印刷の両建て戦略の審議に入った。
営業部長の刷増(すります)は、オフセット時代への突入が始まらんとしている今こそビジネスチャンスであると、大松田に賛意を示した。難問は山積しているが、時代の変化、技術動向を先読みした対応を図る方向に次第と取締役会の雰囲気が変化して来た。
竹根好助 経営コンサルタント歴35年のベテラン
幸育太郎 戦後ガリ版印刷でラッキー創業
幸 育雄 印刷会社ラッキー二代目社長
幸 育猛 幸育雄の長男
牧神愛子 育雄の秘書
金山 ラッキー創業時からの社員、常務取締役工場長
大松田 ラッキーの取締役技術部長、常務
茂手木 ラッキーの取締役
大里 ラッキーの総務担当取締役、高齢
刷増浩二 営業部長、最若年の取締役
刷増浩三 営業係長、刷増営業部長の息子
平しずか 竹根の秘書
荻野 竹根の腹心コンサルタント、印刷業界に詳しい
角菊 福田商事海外事業部長
伊中 福田商事印刷機器事業部長