■■個客主義と業績先行管理 【連載小説】竹根好助の「先見思考経営」 No.162
【本書の読み方】 脚注参照
■14 エピローグ 4 通算162回 個客主義と業績先行管理
小さな印刷会社ラッキーでは、荒れた取締役会であったが、五カ年計画が何とか可決された。
その一つであるプリントショップビジネスに対して、その第一弾として、福田商事とラッキーの共催でセミナーを開催し、ビジネス紹介のでも現場も見られるようにした。これがヒットした。しかし新たな問題として、顧客のニーズにラッキーの体制が整わないことが予想された。
新たな難問を社員自らの知恵で解決でき、社長や社員がこぞって自信を持つことができた。
もちろんその陰には。二人が思い出に浸る中で、竹根達、経営コンサルタントの力があることを橋上の幸が最も理解しているのである。
【現代】
「そういえば、店舗が三つになったときですよね。会議がマンネリ化して、だらだら会議をしていたときに先生が丁度来られて怒鳴られましたね」
「私が、怒鳴りました?」
「そうですよ、初めて厳しい口調で言われました。『時間はお金では買えない』あれは良い教訓でした。会議もいすを取り払って立ったままやるようにしたのもあのときでしたね。事前に資料を準備しておくという基本的なこともやっていなかったんです。あれは、先生に会議の進め方という研修を受けた直後だったので先生は余計に厳しく言われたのだろうと思います」
「確か、テレビの取材もありましたね?」
「いえ、あれはうちではなかったのですが、私がテレビに出たときに紹介はしました。先生は、いつも『印刷業界はお客様が第一なのだ。お客様を知れば自ずと何を売り込んだらよいのかわかる。』と提案営業の極意を教えてくれました。顧客管理をパソコンで行うようになり、顧客ごとに売り込み戦術を立てられるようになりました。それが安定売上につながり、三ヶ月先行管理は非常に楽になりました」
「そうでしたか」
「顧客管理で、どのような印刷がいつ頃来るのかそれが読めるようになり、提案書どころか、見積書を持って行くだけでも受注できるようになりました。お客の販促行事にまでアドバイスをするようになり、同業他社の追随を許さないほどになれました」
< 次回に続く お楽しみに >
■■ 脚注
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。
ブログというのは漫然と読むのでは記憶に残ったり、感動したりして行動に繋がることが少ないでしょう。どのような考え方でブログを書いているのかをご紹介しています。