■■まだ道半ば 【連載小説】竹根好助の「先見思考経営」 No.163
【本書の読み方】 脚注参照
■14 エピローグ 5 通算163回 まだ道半ば
小さな印刷会社ラッキーでは、荒れた取締役会であったが、五カ年計画が何とか可決された。
その一つであるプリントショップビジネスに対して、その第一弾として、福田商事とラッキーの共催でセミナーを開催し、ビジネス紹介のでも現場も見られるようにした。これがヒットした。しかし新たな問題として、顧客のニーズにラッキーの体制が整わないことが予想された。
新たな難問を社員自らの知恵で解決でき、社長や社員がこぞって自信を持つことができた。
もちろんその陰には。二人が思い出に浸る中で、竹根達、経営コンサルタントの力があることを橋上の幸が最も理解しているのである。
【現代】
「しかし、勝負はこれで終わったわけではないんですよ。新しい挑戦を続けていかなければいつかはライバルに追いつかれます。これからは、パソコンの時代です。それがネットワークでつながるようになると、受注形態も今までとは異なってきます。コンピュータ技術が印刷技術にも関係してきます。たとえば、版下を印刷して、それを製版し、刷版をつくって印刷をするなどという工程はなくなるでしょう」
「全ての業務が、また川上から川下まで全てがネットワークに繋がるようになると先生が仰っていましたね。それを噛みしめます」
「育猛君がネットワークの研究をずっとしていたから、育さんの会社もネットワーク活用で時代の先端までとは言いませんが、中小企業にしては上手に利用してきましたね。私も、顧問先のICT導入前の利用例としてしばしば見学先として利用させてもらいましたね」
「育猛の実力や努力を過小評価していた自分の人間を見る目のなさを恥じています」
「育さんは、育猛君がなぜ社長を継がないと言ったのか、解りますか?」
「育猛に訊いたことがないので・・・」
「では、質問を代えましょう。なぜ、はじめは社長を継がないと言っていながら、注ぐ気になったのでしょうか?」
「う~ん・・・」
< 次回に続く お楽しみに >
■■ 脚注
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。
ブログというのは漫然と読むのでは記憶に残ったり、感動したりして行動に繋がることが少ないでしょう。どのような考え方でブログを書いているのかをご紹介しています。