keieishi17’s diary

40年余の経営コンサルタント経験から語る

■■【元気な会社】精密板鍛造で新たなニーズ開拓 [サイベックコーポレーション] 32

■■【元気な会社】精密板鍛造で新たなニーズ開拓 [サイベックコーポレーション] 32

高精度で差別化

 サイベックコーポレーションは精密金型の開発・設計・製造とプレス部品の加工を手がけ、金型からプレス加工までの一貫生産を行っている。
 低コストだけでなく、高精度が他社との差別化のポイントで、同社が作るプレス部品の精度は平均で誤差が50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。部品精度を高めるには、さらに高い金型精度が必要で、同社の強みは板鍛造技術とともに高精度の金型を作る技術といえる。
 従って、金型製造用の工作機械は精度を特別に高めたものを使用している。

顧客とともに開発

 「ビジネスはタイミング。ニーズを先読みして先行投資する」と平林社長がいうように、1990年代の後半から自動車部品の分野に参入した同社は、攻めの姿勢を基本とする提案型の企業を目指している。代わりに設計・開発・提案型の営業などをこなすバリューテクノロジーVT)研究所がある。
 所員は顧客の設計・開発部門に板鍛造の優れた点と、既存の製造法から板鍛造に切り替えた時のメリットを伝える。
 「プレス加工は大量に作るための工法で絶対数の少ない分野がメーンとなることはない」(同)というように、燃料電池や電気自動車など次世代自動車部品の開発を進める。
【コメント】自動車分野の実績、高い技術裏付け
 同社は、コア技術である板鍛造と金型加工技術において絶対の自信があります。いかに高い品質を要求されても、それに応える力を持っています。それが自動車分野での実績として裏付けられています。
 自らの技術をアピールして開発段階から量産仕事を作り出す形は、国内でモノづくりを続けるための戦略の一つです。
 経営の根底においているのは「仕事を楽しむこと」という平林社長は、創業者である先代社長から会社を引き継いでまだ日が浅く、30代の社長です。その若さが成長を支える原動力になっているようです。
 今後は、どのような時代にも生き残れる、経営の基盤の強化と市場導入の営業力が課題といえます。