keieishi17’s diary

40年余の経営コンサルタント経験から語る

■■【ヨーロッパ経済の読み方】なぜEUは日本との経済連携協定に踏み込めないか 時系列的に見ると理解が深まる

■■【ヨーロッパ経済の読み方なぜEUは日本との経済連携協定に踏み込めないか 系列的に見ると理解が深まる
http://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif
 最近の経済ニュースのエッセンスを、独断と偏見でもってまとめてみました。
http://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/131.gif

◆ なぜEUは日本との経済連携協定に踏み込めないか 2013/03/27
 ようやく改善の兆しを見せていたEU経済やユーロ信用不安問題ですが、キプロス問題で再び波紋が広がっています。
 アベノミクスで”ゆけゆけドンドン”と元気な日本政府はTPPに踏み切り、EUとの連携も積極的に模索をしています。
 EU(ヨーロッパ連合)としては、世界第3位の経済大国である日本との間で、貿易とサービスの自由化を目指すEPA(経済連携協定)になぜ踏み切れないのでしょうか。
 EPAが締結されれば、医薬品や食品などを日本向け輸出が約30%増えると試算されています。その効果として、EUのGDP(域内総生産)が1%近く押し上げられ、40万人の雇用創出に繋がることが期待できます。
 交渉が始まって1年以上になるにもかかわらず、EUは躊躇しています。
 その理由は、自動車業界の反対です。その点はアメリカのTPP反対論者と共通しています。
 信用不安の影響で、EU域内での販売台数が低迷している自動車業界は、日本車が押し寄せてくることが必定とみて反対しています。
 日本では乗用車への関税は、既にゼロです。EPAを結んでも自動車の輸出の伸びに期待が持てないからです。一方、EUは乗用車に10%の関税を現在かけていますので、それを撤廃しなければなりません。益々、日本車の輸入が増え、日本側に有利となるとみているからです。
 それだけではなく、今年6月に、EUとアメリカとの自由貿易協定に向けた交渉が始まる見通しです。EUは、アメリカとの交渉の進展や成果を踏まえて、日本側に強い態度で対応を迫ろうという腹づもりがあるのです。
 市場開放は、世界経済の活性化にもつながります。自由化を見直すいわゆる「セーフガード条項」を協定に盛り込むという方法もあります。”聖域”を作るなど本来の目的とは多少ずれても、現実性を重視するという方法も考えられます。
 EUは、ヨーロッパ経済が信用不安から抜け出し、力強い成長を取り戻すためにも自由貿易協定を積極的に進め、貿易を拡大すべきでしょう。

◆ フィリップスの音響部門を売却 2013/01/31
 オランダのフィリップスは、日本では電気シェーバーで知られていますし、音楽ファンには音響機器として根強いファンがいます。
 知らず知らずして使っているのが、CD、かつてはカセットテープですが、その国際規格を作った会社でもあります。
 かつてはフィリップスの核であった映像や音響機器関連の事業を、船井電機におよそ180億円で売却することが発表されました。対象となるのは、携帯音楽プレーヤーやヘッドホン、それにビデオプレーヤーなどの映像や音響機器の事業です。
 デジタル家電を巡る世界的な競争の激化の影響が大きいようです。今後は、得意とする医療や健康関連に経営資源を集中させる方針です。
 船井電機は、フィリップスのブランドを維持したまま、先進国だけでなくアジアや南米など新興国にも製品の販路を広げていく考えで、ブランド力を活かせるのは大きなメリットです。

◆ ヨーロッパ車の動向 2013/01/29
 ドイツのメルケル首相が、アベノミクスは、為替円安誘導であると、厳しいコメントを出しました。その背景には、好調なドイツ車に対抗できる日本車が円安で入りやすくなることへの警戒感があると考えます。
 日本の国内市場では、中古車が対前年比で6.4%増と、12年ぶりに中古車売上が伸びたと報道されました。タイムラグはありますが、まだまだ国民には先行きの不透明感が強い結果かも知れません。
 そのような中で、海外の自動車メーカー各社は、燃費のよさで車を選ぶ人が多い日本の市場にあわせた新型車を相次いで投入しています。
 中でも、ドイツにとって大きな市場であるだけに本腰が入っているように見えます。
 メルセデス・ベンツは、1月に日本で発売した新型車は、燃料の消費を抑える独自の機能がついているにもかかわらず、最も安い280万円台のクラスにも搭載しました。信号待ちなどで停車した際、自動的にエンジンが止まってガソリンの消費を抑え、燃費は従来のモデルより34%改善されたということです。
 フォルクスワーゲンは、運転状況に応じて一部のピストンを止めてガソリンの消費を抑える技術を搭載した新型車を、ことしの夏、日本で発売する計画です。
 縮小傾向の日本市場ですが、燃費を重視した車を増やしてきており、日本での販売台数を去年まで3年連続で伸ばしています。今年は、低価格車でも日本市場でさらに伸ばそうという勢いです。

◆ EUで金融取引税先行導入 2013/01/24
 金融取引には、時として投機のために金融界が振り回されることがあります。その様な動きにブレーキをかける方策をフランスが以前より検討していました。それが金融取引税です。
 金融取引税は、EU(ヨーロッパ連合)域内で行われる株式や債券などの取り引きに課税することによって、投機的な金融取引を制限するという、金融機関への規制強化が主なねらいです。
 EUは、財務相会議を開き、金融取引税導入を承認しました。ただし、ユーロ圏全体を統一的にというわけではなく、11か国のみで先行して導入します。国の枠を超えて地域レベルで導入されるのは初めてのことです。
 金融機関が集中するイギリスやオランダなどがEU全域で導入することに難色を示したため、一部の先行導入となりました。
 これを受けて、ヨーロッパ委員会は近く、金融取引税の対象や税率などを定めた法案を提出することになりました。早ければ2014年にも新たな税金が導入されます。

◆ ドイツ経済の昨今と見透し 2013/01/17
 EU信用不安が払拭されたわけではないですが、ユーロ高に診られるように、ここに来て落ち着きを示しています。
 ヨーロッパ経済をけん引するドイツの景気が気になります。
 2012年のGDP(国内総生産)の伸び率が、前年同期比で0.7%のプラスとなり3年連続でプラスを維持しています。2011年が3.0%のプラスでしたから、伸び率が鈍化していることが気になります。
 2012年の後半から企業の設備投資の落ち込みが顕著となり、景気が減速傾向になっているように見えます。
 一方、新興国などへの輸出が引き続き好調だったことや、自動車の好調にみられるように、個人消費が堅調ですので、心配するほどではないといえるのかもしれません。
 信用不安がくすぶっていますので、ドイツの景気減速状況の先行きについては注視する必要があります。

◆ ロンドンの地下鉄は開業150年 2013/01/15
 多くの人が地下鉄を利用していると思います。近年は、主な都市に行くと地下鉄が走り、公共交通機関だけで、かなりいろいろなところに移動できます。
 その便利な地下鉄ですが、150年も前にロンドンでお目見えしています。当時は蒸気機関車が牽引していたのですから、煙に悩まされたのではないでしょうか。
 ロンドンで地下鉄に乗った方はご存知のように、車両が大変小さいです。幅も高さも寸詰まりの感じがするだけではなく、トンネル部分が小さいです。チューブのように遠景をしているので地下鉄のことを「チューブ」の愛称で呼んでいます。
 東京の大江戸線も小型車両ですが、こちらはトンネル工事費を大幅に削減することができたそうです。リニアモーターで動いていることは、意外と知られていません。ただし、リニア新幹線のような磁気浮上式ではないので音は他の地下鉄と同じでうるさいです。
 パリはメトロ、ニューヨークはサブウェイと呼び名がそれぞれ異なります。
 私は1970年代にニューヨークにいましたが、当時は車両も汚く、犯罪率も高い場所でした。薄暗く、そこにいるだけでも良い気分ではありません。
 東京と同様に、いろいろな路線が走っていて、色分けされています。地下鉄専用の地図は結構大きく、持ち歩くには不便ですが、不可欠です。
 料金は、ロンドンも、パリもゾーン制で、一駅でもゾーンから出ると料金が上がります。ニューヨークは一律料金で、私が住んでいた頃は25セントでした。
 これからも地下鉄は重要な交通手段の一つといえますね。

◆ 信用不安の中での欧州中央銀行のユーロ金利政策は? 2013/01/12
 財政状況の厳しいスペインの国債の利回りが、一時的とはいえ4%台後半まで低下、比較的落ち着いた状態が続いています。
 記者会見でドラギ総裁は、「国債の利回りは下がり、株価も上昇するなど、ユーロ圏の傷は徐々に癒えていますが、実体経済の面では依然として、弱さが残る」と述べました。
 ヨーロッパ中央銀行は、ユーロの金融政策を決める定例の理事会を開きました。
 厳しい景気の現状を金融面から下支えするため、過去最低になっている今の政策金利の水準を当面、維持することを決めました。金利の据え置きは、6か月連続です。
 低い金利を維持して金融面から景気の下支えを図る考えです。

◆ ユーロの失業率が最悪 2013/01/09
 ギリシャに端を発した信用不安から、ユーロ圏だけではなく、元気であった中国を始め全世界の景気減速を引き起こしてから久しくなります。単一通貨精度そのものの存続にまで発展してしまいました。
 EU(ヨーロッパ連合)の統計局が、発表したところによりますと、通貨ユーロを導入しているユーロ圏17か国の2012年11月の失業率は11.8%と、前の月より0.1ポイント悪化し、ユーロ導入以来最悪を更新しました。
 失業率が最も高い国はスペインで26.6%でした。しかも前月より0.4ポイント悪化しています。とりわけ25歳未満の若者では56.5%で、かつ悪化しています。
 ユーロ圏では緊縮策だけでなく経済成長や雇用創出を重視する政策を進めていますが、まだ効果は現れてなく、雇用情勢の悪化に歯止めがかかっていません。


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