時代の流れを時系列的に見ると、見えないものが見えてきます。NHKの放送や新聞・雑誌などを見て、お節介心から紹介しています。
http://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif
http://www.glomaconj.com/graphics/button111.gif
http://www.glomaconj.com/graphics/button111.gif
クリスマスを前にして、ロシアの通貨ルーブルが急落しまし、ルーブル安が続いています。ロシアでは、中央銀行が外貨建ての債務の返済期限が迫っている企業の借り換えを支援するため、金融機関に外貨建ての融資を行うと発表しました。ルーブル安の影響が拡大しないよう、プーチン大統領が異例の対策に乗り出しました。
その背景は何なのでしょうか?NHKの石川一洋解説委員の番組を中心にまとめてみました。
【これまでの掲載】
1 なぜ、ルーブル安になったのか
2 プーチン政権にどの様な影響が
◇3 ルーブル安が及ぼす世界経済
ルーブルの下落とロシアの抱える民間債務の問題は、ロシアに留まらず、ヨーロッパにも影響を及ぼすでしょう。
ヨーロッパの金融機関は、2014年中頃まで続いた原油高の中で、ロシアに膨大な資金を貸し付けてきました。今後原油価格の下落とウクライナ危機に伴う金融制裁が続けば、ロシアの民間企業が債務不履行に陥ることは必定です。その結果、ヨーロッパにも信用不安を広がり、総出なくても厳しいヨーロッパの経済ですが、これに追い打ちをかけることになりかねませんので、ロシアと欧州が共倒れを何としても回避する必要があります。
双方が共倒れすれば、ウクライナ経済の復興も望めなくなるでしょう。それがアメリカにとっても、ロシア経済の破たんが世界経済全体を混乱させ、それが国内リスクとなります。
経済危機を避けるためにもウクライナ東部の安定化に向けたプーチン大統領の具体的な行動が望まれます。
そのような中で、ロシアが進めているのは、中国をはじめとするアジア、新興国との関係の強化です。
プーチン大統領は2014年秋に、ロシアへの制裁に参加していない中国、トルコ、インドを公式訪問しました。エネルギーの輸出先をヨーロッパから東方に展開することが目的です。今やロシアにとって最大の貿易相手国である中国へは、最新のステルス戦闘機や防空システムの輸出交渉を進めています。軍事面も含めて関係強化する危険な動きです。
これが行き過ぎますと、欧米との対立はウクライナ問題での緊張が緩和したとしても、ロシアと欧米諸国との修復が困難になります。中には、ロシアを仮想敵国とする、冷たい関係が続くだろうとさえ、ささやく人がいます。
ルーブルの下落とロシアの抱える民間債務の問題は、ロシアに留まらず、ヨーロッパにも影響を及ぼすでしょう。
ヨーロッパの金融機関は、2014年中頃まで続いた原油高の中で、ロシアに膨大な資金を貸し付けてきました。今後原油価格の下落とウクライナ危機に伴う金融制裁が続けば、ロシアの民間企業が債務不履行に陥ることは必定です。その結果、ヨーロッパにも信用不安を広がり、総出なくても厳しいヨーロッパの経済ですが、これに追い打ちをかけることになりかねませんので、ロシアと欧州が共倒れを何としても回避する必要があります。
双方が共倒れすれば、ウクライナ経済の復興も望めなくなるでしょう。それがアメリカにとっても、ロシア経済の破たんが世界経済全体を混乱させ、それが国内リスクとなります。
経済危機を避けるためにもウクライナ東部の安定化に向けたプーチン大統領の具体的な行動が望まれます。
そのような中で、ロシアが進めているのは、中国をはじめとするアジア、新興国との関係の強化です。
プーチン大統領は2014年秋に、ロシアへの制裁に参加していない中国、トルコ、インドを公式訪問しました。エネルギーの輸出先をヨーロッパから東方に展開することが目的です。今やロシアにとって最大の貿易相手国である中国へは、最新のステルス戦闘機や防空システムの輸出交渉を進めています。軍事面も含めて関係強化する危険な動きです。
これが行き過ぎますと、欧米との対立はウクライナ問題での緊張が緩和したとしても、ロシアと欧米諸国との修復が困難になります。中には、ロシアを仮想敵国とする、冷たい関係が続くだろうとさえ、ささやく人がいます。
クリスマスを前にして、ロシアの通貨ルーブルが急落しまし、ルーブル安が続いています。ロシアでは、中央銀行が外貨建ての債務の返済期限が迫っている企業の借り換えを支援するため、金融機関に外貨建ての融資を行うと発表しました。ルーブル安の影響が拡大しないよう、プーチン大統領が異例の対策に乗り出しました。
その背景は何なのでしょうか?NHKの石川一洋解説委員の番組を中心にまとめてみました。
【これまでの掲載】
1 なぜ、ルーブル安になったのか
もしも欧米との関係が良好で経済危機が起きたならば不満はプーチン大統領に向かったでしょう。しかしロシア人は、我慢強く、外敵が存在するときは団結する傾向があります。経済の悪化の責任は欧米にある、あるいは欧米との対立の中で支払うべき対価だと考えている人も多いのです。
プーチン大統領「熊を静かにしておけば、森の周りの子豚を追いかけることもなく、木の実やはちみつを食べているだけでしょう。でもいつも熊を鎖につなごうと追いかけ、捕まえたら牙や爪を剥ごうとしているのです」(2014年12月18日記者会見)
2000年大統領就任とともにプーチン大統領は、安定したルーブル、強いルーブル、ドルや円と同様海外でも通用するルーブルの確立を唱えました。実際ルーブルレートは安定し、外貨との交換可能な通貨となりました。
それだけにルーブルの急落は、ロシア人への心理的なショックは大きくのプーチン路線への不安があるでしょう。安定した強いルーブルこそが、プーチン時代の象徴であり、ロシア国民のプーチン大統領への信頼を支えていたからです。
ルーブルの下落は、輸入品の価格の上昇をもたらし、庶民の生活にも直接影響を与えます。食料品や医薬品、家電など、輸入に頼る生活必需品に頼った暮らし向きには、これらの値上がりが庶民を直撃することになります。
しかし、ルーブル防衛のためにロシア中央銀行は金融引き締め策を取っています。これでは生産に資金がまわらないでしょう。インフレと景気後退が並行するスタグフレーションに陥る危険性があります。ルーブルの安定と経済の活性化をどのように両立するのか、プーチン大統領の経済チームの力量が問われています。 << 4回シリーズ 3へ続く >>
クリスマスを前にして、ロシアの通貨ルーブルが急落しまし、ルーブル安が続いています。ロシアでは、中央銀行が外貨建ての債務の返済期限が迫っている企業の借り換えを支援するため、金融機関に外貨建ての融資を行うと発表しました。ルーブル安の影響が拡大しないよう、プーチン大統領が異例の対策に乗り出しました。
その背景は何なのでしょうか?NHKの石川一洋解説委員の番組を中心にまとめてみました。
◇1 なぜ、ルーブル安になったのか
ロシアの中央銀行は、政策金利を大幅に引き上げましたが、ルーブル売りは止みませんでした。一時は1ドル80ルーブルを切るまで急落しました。その後ルーブルは持ち直し、2014年クリスマスには、1ドル55ルーブル前後です。これは年初めに比べてルーブルの価値が二分の一近くに落ちたことになります。
では、なぜルーブルがこれほどまでに急激に下落したのでしょうか。
主な原因は原油価格の下落です。
2014年6月には、原油価格が100ドルを超えていましたが、ウクライナ危機が起こったのにもかかわらず、ルーブルのレートは1ドル35ルーブル前後で推移していました。しかし原油価格が下落してくるとルーブルも急落してきました。その結果、石油やガスに経済を依存するロシアの先行きに不安が広がったのです。1998年のロシア政府債務不履行の時のようにロシア金融危機が繰り返すのではないかとの恐れもささやかれています。
石川解説委員は、その時と比較して、ロシア経済の現状は大きく異なるので、その心配はないとみています。
現在、ロシアは貿易黒字国であり、また経常収支の面でも原油価格の下落にも関わらず黒字です。外貨準備高も4000億ドルを超えていて、国家予算は歳入と歳出が、1バレル60ドルなら均衡するでしょう。すなわち国家財政は危機的な状況ではないからです。
一方、欧米の銀行から借り入れた巨額の民間債務があるのが問題です。
そのような中で、ウクライナ問題で欧米が金融制裁をとっています。ロシアの銀行や民間企業が新たな資金調達の道を制限され、債務の返済に不安が生じています。
ルーブル安は、OPECも関連していることは意外と見落とされているのではないでしょうか。
アメリカのシェールガスが、原油価格より高めの今、オペック諸国がロシアをたたいて、原油市場での立場を強固にしようという算段があります。原油市場のだぶつきの中で、本来なら生産調整を図るはずのOPECが、生産調整をせずにいるのは、ロシアバッシングと考えるのは言い過ぎでしょうか。 << 4回シリーズ 続く >>
http://www.glomaconj.com/graphics/aimation_btnarrowd062.gif 毎日複数本発信 http://www.glomaconj.com/graphics/aimation_btnarrowd062.gif