愚者一得(ぐしゃいっとく) 他者が愚か者に見える
私は、立場上、いろいろな人に、お説教じみたことを言わなければならないことがあります。それを「上から目線」というように捉える方もいらっしゃるので、できるだけ表現には気をつけるようにしています。しかし、経営コンサルタントを40年もやっていると染みついてしまっているのか、当ブログでも多々失礼があるかもしれません。
愚者一得というように、私のような者でも時には良いこと、参考になることを言うかも知れません。どうかご容赦くださるようお願い申し上げます。
このことからおわかりのように「愚者一得」というのは「どのような愚かな人(愚者)であっても、たまには良いことを言ったり、思いついたりするもの」という意味です。出典は、史記です。
「千慮一得」という言葉もありますが、ほぼ同意と言われています。
同様に「千慮一失」という言葉があります。どのように賢い人でも、数多いアイディアの中には一つ二つの陳腐な提案もあるという意味です。熟慮の末でも、失敗をすることもあります。
われわれ経営コンサルタントも、自分の提案がうまくいったときには一人でほくそ笑んだり、乾杯したりします。(正し私は下戸です)一方で失敗することもあり、その時には相当落ち込みます。その代わり、大金を出してくださったクライアント・顧問先に対して申し訳ないので、次の機会があればさらに妙案を提供するように努力をします。
幸い、これまでの私のクライアント・顧問先は、「千慮一失さ」と私の将来を見てくださったこともあり、長いおつきあいをさせていただいています。
いろいろな人を見ていると、「うちの社員は無能揃い」「うちの役員と来たら全く役に絶たん」と自分の会社の社員や部下を悪く言う経営者・管理職にお会いします。
しかし、本当にそうでしょうか?「愚者一得」というと失礼ですが、社員や部下が何も良い提案やアイディアを出さないとは思えません。むしろ、そういう経営者・管理職の方が部下の提案を正しく評価できていないから、愚者と思えるのではないでしょうか。
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