keieishi17’s diary

40年余の経営コンサルタント経験から語る

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】 あたたかい管理のための「管理会計の教科書」〔営業・マーケッティング編〕

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】 あたたかい管理のための「管理会計の教科書」〔営業・マーケッティング編〕
 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。
 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■  今日のおすすめ

 
 『あたたかい管理のための「管理会計の教科書」〔営業・マーケッティング編〕』
 
            (今井 信行著 秀和システム
■  管理会計」のイメージを変えられました(はじめに)
 
 私の「管理会計」の概念は、「制度会計」では判断ができない事項を「管理会計」で実態を明らかにし、“経営の意思決定と業績向上”に役立てることを目的とするものと理解していました。具体的には、「CVP分析損益分岐点分析)」等のCosting、「公式変動予算」等のBudgeting、派生的なものとしてERP、BSC(KPIにより数値化できる)、京セラ会計などです。まさに著者の指摘する、横割りで捉える管理会計、に止まっていました。
 
 しかし、著者の「管理会計」に対する考え方の重要なポイントは、『多くの研究者は、管理会計の考え方を横割りで捉えている。それが実務家・利用者の有用性を妨げている実務に管理会計を利用するには、部門別の利用法など縦割りで考える方が有用性を高める。』にあります。
 
 一方、著者は、部門別であるが故に、全体最適性から外れては「経営を診る」という重要な目的を果たせないとして、「管理会計の目指すべき八項」として、全体最適性、上位概念整合性、仕組みの持続、目的意識の持続、臨機応変思考、共有財産の蓄積、共有財産の拡大、人間性重視の8項目を挙げています。特に重要な項目として、部門別の縦割り管理会計になった場合、ともすれば、個人実績などに拘りがちな点に留意し、「人間性重視/温かい管理」を強調します。
 
 更に、本著の特徴は、縦割りの部門として、「仮説・検証・データのKKD」から遠く離れ「勘・経験・度胸のKKD (著者は「経験・勘・根性の3K営業」と表現)」で運営されやすい「営業・マーケッティング」分野に光を当て、見える化管理会計化した点です。更に言えば、「営業・マーケッティング」分野は、ブラックボックス化している分野です。そこに管理会計を導入した意義は大きいと思います。縦割り横割りの盲点を埋め、更には基幹システム(財務会計システム、販売管理システム)との連携により、バリューチェーン全体の統合的な管理ツールが出来、全体最適シナジー効果が出て来るのではないでしょうか。
 
 紹介本は、「営業・マーケッティング」分野の管理会計化や、「マーケティング」理論の管理会計化への発展的展開も含め、実用的で且つ新たな発見に出会える著書と思います。
 著書の中に見出した多くの新しい発見から、幾つかを次項でご紹介します。

【酒井 闊プロフィール】
 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。
 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。
 
【 注 】
 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
 
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